ITエンジニア/デザイナ向けにオープンソースを毎日紹介

今でも強烈に覚えているコメントは…

ライブドアブログからはじまったMOONGIFTですが、2004年02月14日に移転しました。その期間約2週間。理由は簡単で、オープンソース・ソフトウェアを調べる中で知ったブログソフトウェア、Nucleusを使って独自のブログを立ち上げたかったのです。ネーミングも変更し、最初はOpen Alexandriaという、エジプトにあったと言われるアレキサンドリア図書館から拝借した名称となっています。ちなみにこのドメインで2005年09月まで運営しました。

Open Alexandriaにおいても毎日オープンソース・ソフトウェアを紹介するというスタイルは変えていません。会社員として勤めながらだったので、毎日5時に起きて情報を集めて記事を書き、6時半頃に出社すると言ったスタイルで運営を続けていました。この頃になるとオープンソースというキーワードがプログラマを中心に知られるようになっており、それに伴ってOpen Alexandriaの知名度も徐々に上がっていきました。

「もっと勉強してください」日々発信していく中、ある記事(もう覚えていませんが)に対してこんなコメントが付けられました。恐らく書いた人にして既に覚えていない程度のコメントだと思いますが、当時記事を書いている中でもの凄いショックを受けたのを覚えています。これは後々他のサイトで見かけることになるのですが、ことプログラミング系やオープンソースなどの記事において不勉強に伴う間違い(例えばメールアドレスの正規表現など)を軽い気持ちで書くともの凄い勢いで反論されて炎上するのです。この頃、何となくOpen Alexandriaで発信している情報は他の人たちに役立っていて、一定の信頼を得ていると勝手に思っていた筆者にしてこのコメントはもの凄い猛省を促しました。

そこで悩みに悩んだ結果、生まれたのが現在のスタイルです。

1. ソフトウェアを試す

まず第一にソフトウェアを試すこと。これはリリースもされていない、またはインストール時点でこけるようなソフトウェアは紹介しないということです。海外の記事を試しもせずに載せているブログではそもそもダウンロードできなかったり(まだぶち上げただけで提供されていないレベル)、開発者が書いている通りの動作が行えなかったりというのはざらにあります。最近ではデモサイトがあるとそちらを頼ることも多いですが、少なくともインストールしないと確認できないソフトウェアは必ずインストールを行っています。

これには問題もあって、筆者の環境でインストールができないソフトウェアは紹介できないのです。例えば特殊なソフトウェアと連携する場合や、ハードウェアが必須の場合です。そういったソフトウェアを紹介できないのは心苦しいのですが、逆に間違った情報を発信したり、インストールできないものを紹介する方が読者に対する不利益になると考えています。

2. ライセンスを明記する

オープンソース・ソフトウェアが何であるかと言えば、OSI(Open Source Initiative)がOSD(The Open Source Definition)準拠と認定しているライセンスのもとに公開されているソフトウェアのことです。良く知られた話ですが、ソースコードを公開しているだけではオープンソース・ソフトウェアとは言いません。2005年当時からライセンスの明記されていないソースコードを公開しているソフトウェアは増えており、それらをオープンソースであるとして発信している外部のブログが多数出てきていました。その結果、識者からあれはオープンソースではないと反論されるのです。

ライセンスの問題は非常に難しく、間違った利用は裁判沙汰にもなりかねない問題をはらんでいます。その間違った情報の発信源にならないよう、MOONGIFTではライセンスが分かるものは適切に明記するようにしています。ソフトウェアの開発者がオープンソースと銘打っていてもライセンスが明記されていない場合はその旨書くようにし、利用者側のリスクを軽減できるように心がけています。

3. 憶測を書かない

自分で試した範囲において書くため、記事にはなるべく憶測部分を含めないようにしています。もちろんその利用用途においてはこういった使い方も考えられますといった表記も入りますが、少なくとも機能面において予想で書かないように心がけています。逆にクリックすると回転しますと書いておいて実際に試すと回転しないのでは全くの嘘になるため、ソフトウェアの開発者がどうアピールしているかに関わらず実際に試し、その結果を書くようにしています。

MOONGIFTへの回帰

Open Alexandriaは2005年09月までの運営で、その後MOONGIFTに立ち戻っています。この理由を昔何度か聞かれましたが理由は簡単でOpen Alexandriaが一般的に覚えづらい、読みづらい、間違って覚えられるといった問題があったからです。実際ドメインにするとopenalexandria.comとなり、非常に長いです。筆者ですら打ち間違えることがあったほどです。そのため中学校の英単語レベルでも覚えられるmoonとgiftを組み合わせたmoongift.jpに戻った次第です(1年半運営して分かったことがそれというのも情けないですが)。

なおMOONGIFTという名称自体に大きな意味はありません。響の良さ、語感、覚えやすいと言った程度です。

MOONGIFTに変わってから変化したのは1日1記事から1日2〜3記事になったことでしょう。2005年後半くらいからオープンソースの裾野が大きく広がってきたと記憶しています。その大きな要因になったのが今は死語であり書くのも恥ずかしいがWeb 2.0ではなかったでしょうか。例えばdel.icio.usやFlickr、DiggといったWebービスがリリースされた時、そのシステムのシンプルさや人気もあってクローンが幾つも生み出されました。またRuby on Railsが登場し、その開発スピードの高速さもあって10分で作るRailsのブックマークアプリを作るなんていうコンテンツも作られました。その結果、一気にオープンソース・ソフトウェアが広がり毎日1つでは足りなくなってきました。ちなみにこの状況は悪化の一途をたどっていて、現在も紹介できないソフトウェアが日々溜まっている状態です。

2006年前後の特徴的な出来事とそれがオープンソース・ソフトウェア界隈に与えた影響について取り上げたいと思います。

WordPress

MOONGIFTへ移転するタイミング(確か)でブログエンジンをNucleusからWordPressへ変更しました。当時は今ほど高機能ではなかったもののプラグインによる拡張が容易であったためMOONGIFTにおいても多数のプラグインを開発しました。当時はMovableTypeがまだまだ人気でしたが、WordPressの安定化が進むのにつれてシェアが大きく動いていきました。なおWordPressは本体の魅力もさることながら、やはりコミュニティベースのプラグインやテーマがそのシェア拡大に大きく寄与したのではないでしょうか。WordPressのプラグイン配布はそのままソースコードの公開につながるためオープンソース・ソフトウェア開発の文化に貢献しています。

Google Code

またこの頃Google Codeがリリースされました(2005年03月)。当時はSourceForge、RubyForge、JavaForgeと呼ばれる○○Forgeと銘打ったホスティングサイトが多く、Forge=鍛冶場の名前が示す通り何となくスペシャリストオンリーといった限られた人たちだけが踏み込めるような敷居の高い印象がありました。それがGoogle Codeによってカジュアルにオープンソース・プロジェクトを立ち上げたり発信できる環境が整ってきたのです。その結果、公開されるオープンソース・ソフトウェアが爆発的に増えたのでしょう。

Wikiエンジン

クローンソフトウェアの代表例とも言えるのがWikiエンジンです。MOONGIFTでは2005年から2006年末までWikiサタデーと称して毎週土曜日にWikiエンジンを紹介するという試みを行っていました。この時に少なくとも80くらいのWikiエンジンを紹介しました。各プログラミング言語ごとにWikiエンジンが存在するのはもちろん、その時の代表的フレームワークを使ったり、技術要素を使ったりと様々なWikiエンジンが存在しました。Wikiエンジンは要件が明確であるためクローンが作りやすいというイメージがあり、Wikiエンジンを作るのを入社面接の試験にしていた企業もあるくらいです。今ではWikiクローンのリリースは減っていますが、リンクをクリックしてページがなければ作成すると言った仕組みは様々なソフトウェアに取り込まれています。またRedmineのように一機能としてWiki機能を提供するものも数多いです。その意味においてWikiエンジンはソフトウェアの一機能としてとけ込んだ存在になったと言えるでしょう。

Ajax

この時代の特徴をあげるとGmailやGoogleカレンダーがWebアプリケーションとしてAjaxを使ったことによってその後のソフトウェア機能が大きく影響を受けています。それまでちょっとした文字装飾レベルにしか使われなかったJavaScriptが一気に花形に躍り出た瞬間でもありました。これは後のPrototype.jsやjQueryによってより簡単にAjaxを実現できるようなライブラリへとつながっています。特にjQueryにおいては利便性はもちろんプラグインによる拡張が容易であり、現在においても日々多数のオープンソース・ソフトウェアが生み出されています。

次は2007〜08年にかけて起こった大きな変動についてです。この時がここ数年、稀に見る熱さだったと思います。あのデバイスやらあのサービスやら…


10周年記念特集!「オープンソース×10年」

 

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